老人ホーム入居中に自宅を相続した場合の小規模宅地等の特例について

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老人ホーム入居中に自宅を相続した場合で

自宅に戻ることなく亡くなったとき

その自宅の土地は

小規模宅地等の特例の対象となるのでしょうか

関心の高い小規模宅地等の特例

一般の家庭でよくみうけられる相続は「一軒家が建っている宅地」の相続です

こうしたケースでは、その宅地について小規模宅地等の特例が適用できるかどうかで、相続税がおおきく変わることが多いでしょう

居住用の宅地に対する小規模宅地等の特例というのは、簡単にいうと、亡くなった方が住んでいた自宅を相続した場合、その敷地の評価額が80%減額されるものです

納税者の関心も高い、小規模宅地等の特例についての文書回答事例が国税庁のホームページで公開されていますので、ご紹介します

文書回答事例

2019年1月7日、小規模宅地等の特例に関する、東京国税局の文書回答事例が国税庁ホームページにアップされました


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老人ホーム入居中に自宅を相続したものの、その自宅に戻ることなく亡くなった場合の小規模宅地等の特例の適用に関して東京国税局に事前照会があり、その事前照会に回答したものです

別紙 老人ホームに入居中に自宅を相続した場合の小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例の適用について|国税庁

この事前照会の事実関係を時系列でおおまかに図解しますとつぎの通りです

*事前照会事例では甲/乙で記載されていますが、ここでは甲/乙を妻/夫と表記します

  • 被相続人である妻は、平成29年4月、X有料老人ホーム(老人福祉法第29条第1項に規定する有料老人ホームに該当)に入居しました
  • この妻は、平成29年6月、X有料老人ホームに入居する直前に居住の用に供していた家屋(以下「本件家屋」という)とその敷地の用に供されていた宅地等(以下「本件宅地等」)を、先に(平成28年7月)Y有料老人ホームに入居していた夫から相続により取得しました
  • その後、妻は、平成30年2月、本件家屋に戻ることなく亡くなりました
  • なお、本件家屋は、妻がX有料老人ホームに入居した後は、空家でした
  • 妻は、死亡する前に介護保険法第19条第1項に規定する要介護認定を受けています

このような事実関係を前提として、本件家屋と本件宅地等を相続人A(Aは本件特例に係る他の要件を満たしている)が相続により取得した場合、Aがこの宅地等について被相続人の居住の用に供されていた宅地等に該当するとして、小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例の適用を受けることができるのか、という点が照会されました

照会に対する回答

被相続人の居住の用に供されていた宅地等で一定のものについては、小規模宅地等の特例の対象となります

ところが、相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていなかった宅地等であっても、要介護認定又は要支援認定等を受けていた被相続人が有料老人ホーム等に入居又は入所していたことにより居住の用に供されなくなる直前に被相続人の居住の用に供されていた宅地等については、小規模宅地等の特例の対象となる宅地等に該当することになっています(被相続人が有料老人ホーム等に入居等した後に、事業の用又は新たに被相続人等以外の者の居住の用に供されている場合を除きます)

被相続人が有料老人ホーム等に入居等する直前に、その宅地等の所有者であればその宅地等が小規模宅地等の特例の対象となる宅地等に当たることは明らかです

ただ、本件における被相続人である妻は、X有料老人ホーム入居の直前には、本件宅地等に居住していたものの、その宅地等の所有者ではなく、この宅地等を取得した後はここに居住していないため、この場合、本件宅地等が小規模宅地等の特例の対象となると解してよいかということで、今回の照会が行われました

これに対する、国税庁の文書回答は、

  • 有料老人ホーム等への入居により、相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていなかった宅地等が、小規模宅地等の特例の対象となる居住の用に供されていた宅地等に該当するか否かについては、被相続人が有料老人ホーム等に入居等して居住の用に供されなくなった直前の利用状況で判定することとされていますが、その時において被相続人が宅地等を所有していたか否かについては、法令上特段の規定は設けられていません
  • したがって、本件宅地等は、被相続人である妻がX有料老人ホームに入居し居住の用に供されなくなった直前において、妻の居住の用に供されていたものであることから、その時において妻が本件宅地等を所有していなかったとしても小規模宅地等の特例の対象となる宅地等に該当すると解され、相続人Aは小規模宅地等の特例の適用を受けることができるものと考えます

長寿化により、最期の数年は自宅でなく老人ホーム等で過ごし亡くなる方が増えていますので、参考になる方もいらっしゃるのではないでしょうか

***編集後記***

今日は申告書のご署名ご捺印で藤沢の方のお宅へ

邸内の檸檬の木にたくさんのレモンがなっている風景にみとれていたら、いくつか頂戴しました、国産無農薬レモン嬉しいです!


・・・このブログは投稿日現在の法律や状況に基づいて書いています・・・

このブログを書いた税理士 小柳志保のプロフィール

◆鎌倉で相続なら、かまくら相続|女性税理士がお手伝いいたします

神奈川県鎌倉市で相続を得意とする女性税理士(横浜家庭裁判所 成年後見人等推薦者名簿登載者)が、相続税対策、遺産分割アドバイス、相続税申告、相続税の税務調査対策などをサポートしております。ご高齢の方、ご家族お揃いでご相談されたい方などへは出張にてのご相談にも応じますのでお問い合わせください。

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