譲渡所得の申告と「確定申告書作成コーナー」

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普段ご自分でパソコンを使って確定申告している方でも

不動産の売買などによる譲渡所得となると

その算出方法や計算書類の作成には手間取るでしょう

いつもの確定申告書作成コーナーで作成可能かどうかは先に確認しておきたいですね

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確定申告書作成コーナーでの譲渡所得の申告

国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用して、パソコンによりご自分で所得税の確定申告書を作成提出する方が年々増えています

医療費控除をうけたい、年末調整で受け忘れた所得控除をうけたい、給与以外に所得があるから、など色々な理由が考えらえますが、土地建物の譲渡所得の申告となると多くの方にとって、ハードルがたかいものです

それでも、所得税の確定申告書作成コーナーでは、以下の譲渡所得関係書類を作成できるようになっていますので、一般的な土地建物の譲渡であれば、確定申告書作成コーナーを利用して書類作成が可能です

  • 譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)【土地・建物用】1~3面・5面(提出用・控用)
  • 居住用財産の譲渡損失の金額の明細書《確定申告書付表》(提出用・控用)
  • 居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の対象となる金額の計算書(提出用・控用)
  • 特定居住用財産の譲渡損失の金額の明細書《確定申告書付表》(提出用・控用)
  • 特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の対象となる金額の計算書(提出用・控用)
  • 措法33条の4チェックシート
  • 措法35条1項チェックシート
  • 措法35条3項チェックシート
  • 措法35条の2チェックシート
  • 措法41条の5・41条の5の2チェックシート

こんな場合は作成コーナーを利用できません

一般的な不動産の譲渡であれば書類作成が可能な「確定申告書作成コーナー」ですが、「土地建物等の譲渡所得」がある方のうち、つぎに該当する場合などは、残念ながら作成コーナーを利用できません

  • 年間の譲渡契約件数が4件以上ある
  • 保証債務の特例(所法64条2項)の適用を受ける
  • 債務処理計画に基づき資産を贈与した場合の特例(措法40条の3の2)の適用を受ける
  • 一つの契約において、適用する特例が4つある
  • 本年分で差し引く(特定)雑損失と本年分で差し引く居住用財産の譲渡損失の両方がある
  • 総合課税の譲渡所得の収用等に係る特別控除額(措法33条の4)と土地建物等の譲渡所得の特別控除額の合計額が5,000万円を超える場合など

このほかに、つぎのような場合には、確定申告書作成コーナーで「譲渡所得の内訳書」等を作成することはできませんが、手書き等で譲渡所得の内訳書等を作成し、作成コーナーの「計算結果入力」からその計算結果を入力すれば申告書を作成することができます

  • 一つの契約において、取得費に含める建物数が3棟以上である
  • 一つの契約において、譲渡(売却)した建物のうち、自己の共有持分の異なる部分がある(例:1棟の共有持分が1/2、もう1棟の共有持分が1/3 など)
  • 交換・買換え等の特例を利用する
  • 一つの契約において特例が適用できる部分と、特例が適用できない部分がある譲渡をした (例:店舗併用住宅を譲渡(売却)し、居住用部分のみについて3,000万円控除(措法35条1項)を適用する場合など)
  • 一つの契約において、譲渡(売却)した建物について、資本的支出に該当する増改築を2回以上行った

作成コーナーで対応可能な「特例」

上記では、「確定申告書作成コーナー」を利用できない場合や、「確定申告書作成コーナー」の一部を利用できない場合を挙げています

これらに該当しない場合であれば、確定申告書作成コーナーで「譲渡所得の内訳書」を作成できるものと考えられます

いわゆる「特例」(居住用財産を売却した場合の3,000万円特別控除といった特別控除の特例や、居住用財産の譲渡損失の損益通算・繰越控除の特例、相続財産を譲渡した場合の相続税額の取得費加算の特例)についても、交換・買換え等など一部の特例を除いて「譲渡所得の内訳書」で3つまでなら選択できます

なお、確定申告書作成コーナーにおいて「譲渡所得の内訳書」が作成できるのは、つぎの特例です

  • 居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例(措法35条1項
  • 所有期間が10年超の居住用財産を譲渡(売却)した場合(軽課所得)の軽減税率の特例(措法31条の3
  • 居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例(措法41条の5
  • 特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例(措法41条の5の2
  • 収用などがあった場合の5,000万円の特別控除の特例(措法33条の4
  • 被相続人の居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例(措法35条3項
  • 特定土地区画整理事業等のために土地等を譲渡(売却)した場合の2,000万円の特別控除の特例(措法34条
  • 特定住宅地造成事業等のために土地等を譲渡(売却)した場合の1,500万円の特別控除の特例(措法34条の2
  • 平成21年及び平成22年に取得した土地等の長期譲渡所得の1,000万円の特別控除の特例(措法35条の2
  • 農地保有の合理化等のために農地等を譲渡(売却)した場合の800万円の特別控除の特例(措法34条の3
  •  優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡(売却)した場合の軽減税率の特例(措法31条の2
  • 短期譲渡所得の税率の特例(措法32条3項
  • 相続財産を譲渡(売却)した場合の相続税額の取得費加算の特例(措法39条

***編集後記***

夏が過ぎると、譲渡の打ち合わせが急に多くなるように思います

確定申告書作成コーナーの「譲渡所得の内訳書」作成機能について、事前に調べる必要があったので、備忘のためにもブログに記しました


・・・このブログは投稿日現在の法律や状況に基づいて書いています・・・

このブログを書いた税理士 小柳志保のプロフィール

◆鎌倉で相続なら、鎌倉市の相続専門税理士事務所|女性税理士がお手伝いいたします

神奈川県鎌倉市で相続を得意とする女性税理士(横浜家庭裁判所 成年後見人等推薦者名簿登載者)が、相続税対策、遺産分割アドバイス、相続税申告、相続税の税務調査対策などをサポートしております。ご高齢の方、ご家族お揃いでご相談されたい方などへは出張にてのご相談にも応じますのでお問い合わせください。

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