横浜美術館開館30周年記念として
フランス・パリのオランジュリー美術館の
絵画コレクションが21年ぶりにまとまって来日しています
世界中で愛される名画を身近に感じられる機会です
「ルノワールとパリに恋した12人の画家たち」
横浜はみなとみらい地区に1989年に開館した横浜美術館は、迫力のあるシンメトリーな外観と、吹き抜けの開放的なグランドギャラリーが特徴の国内有数の美術館です
現在、横浜美術館では、開館から30周年を記念して「ルノワールとパリに恋した12人の画家たち」展を開催しています
この展覧会では、フランス・パリのセーヌ川岸に建つオランジュリー美術館の印象派とエコール・ド・パリの作品コレクションから、ルノワール、セザンヌ、マティス、ピカソ、モディリアーニなど、パリを愛し芸術に魂を捧げた画家たちの名作約70点が来日
多くの方が一度は目にしたことがあるであろう、ルノワールの傑作《ピアノを弾く少女たち》をはじめ、同館のコレクションがまとめて日本で紹介されるのは21年ぶりとのことです
オランジュリー美術館の所蔵作品のほとんどが常設展示されているため、半数近くがまとまって館外に貸し出せれることは稀です
これだけのコレクションが来日している貴重な機会に是非、足を運んでみてください
コレクションをめぐる物語
「ルノワールとパリに恋した12人の画家たち」展は、オランジュリー美術館のコレクションをただ展示しているだけではありません
オランジュリー美術館所蔵品の核をなす「ジャン・ヴァルテル&ポール・ギヨーム コレクション」の基礎を築いたフランスの画商ポール・ギヨームとその妻にスポットをあてて、コレクションを紹介しています
夫妻による作品収集から、そのコレクションが最終的にフランス国家に譲渡され、オランジュリー美術館で展示されるまでの物語が絵画とともに綴られます
画商ポール・ギヨームは、既に評価の定まった画家たちだけでなく、当時無名だった若い作家たちをも、画商として積極的に支援し、美術館設立への夢をもっていましたが、若くして世を去りました
彼がその私邸を美術館にする構想や、画家たちとの友情、妻ドメニカがコレクションに手を加えた物語に注目して鑑賞すると面白いですよ
精巧なマケットに注目
美術館内の作品展示エリアは、写真撮影禁止ですが、同展がスポットをあてた画商ポール・ギヨームに関する資料を紹介するコーナーの一部に写真撮影ができるものがあります
それは、画商ポール・ギヨームの邸宅の「マケット」です
マケットとは、西洋美術の用語で、模型にあたるものを指します
この展覧会の「ポール・ギヨームの資料紹介」コーナーでは、大人の目線の高さにあわせて、のぞき窓の中に、2つのマケット(ポール・ギヨーム邸の食堂と書斎)が埋め込まれるように展示されています
こちらがポール・ギヨーム邸の食堂のマケットです
こちらが書斎です
1930年頃の画商ポール・ギヨーム私邸の様子を写真から復元したという、2つのマケットには、画商ギヨームの優れた鑑識眼を証明する数々の「作品」が飾られています
お部屋をぐるりと見まわすように、ミニミニ作品を鑑賞できます
それにしても、すごいコレクションです!
角度によっては、奥の廊下の絵画も見えたりするのがとてもワクワクします
名画も素晴らしいですが、遊び心あふれるマケットも是非のぞいてみてください
***編集後記***
「ルノワールとパリに恋した12人の画家たち」展は、2019年9月21日~2020年1月13日まで、横浜美術館で開催されています
平日のお昼前に行きましたが、始まったばかりのせいか、意外と空いていました
都内でこれだけの展示があれば、ものすごく混むと思いますので、穴場かと…
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