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幼稚園就園奨励補助金などの算定の基礎となる「市民税所得割額」がわかりにくいです

そろそろ来春に幼稚園にはいるお子さんの入園手続きの頃ですね

保育料が親の所得によって決まることはよく知られていますが、

私立幼稚園に通わせると自治体によっては「就園奨励補助金」がもらえることがあります

hpgruesen / Pixabay

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私立幼稚園就園奨励補助金とは

私立幼稚園就園奨励補助金とは、私立幼稚園などに3~5歳児を通園させる保護者に対して、その費用の一部を補助する国の制度です。

国の制度ですが、自治体によって補助の基準や補助金額が異なります。

このため、詳細はお住いの自治体に問い合わせる必要があります。

申請方法や支給時期、支給方法も自治体により異なりますので、ご注意ください。

 

一般的には、補助金の「申込」「交付」は幼稚園を通じて行い、入園後、6月に幼稚園を通じて申込書が配布され、12月ごろに幼稚園を通じて補助金が交付されることが多いようです。


【2019年10月追記】

2019年10月から国の制度に基づき幼児教育の無償化が実施されたことにより、幼稚園等就園奨励費補助金については、2019年9月までの補助となります

 

「市民税所得割額」をみつけよう

私立幼稚園就園奨励補助金として自治体から補助される金額は、園児の世帯全員の市町村民税額の合計、兄弟の有無等により決まります。

たとえば、自治体のホームページをみると、「私立幼稚園就園奨励補助金額一覧」として掲載されていることが多く、「補助の基準」(世帯の所得)、該当児童の兄弟の状況により補助区分が決定されることがわかります。

例えば、横浜市の場合、私立幼稚園等就園奨励補助事業のページ内の「補助金額」で確認できます。

「補助の基準」(世帯の所得)は、「生活保護を受けている世帯」から「その年度の市民税所得割額●●円超の世帯」まで、数段階に分かれていることが多いです。

 

このなかで「市民税所得割額」とは、どんな金額なのでしょうか。

市民税所得割額」は、給与明細や源泉徴収票ではわかりません。

市民税所得割額」がわかるのは、次の書類です。

  • サラリーマンの場合、5~6月ごろ勤務先から配布される「市民税・県民税特別徴収税額通知書」という細長い書類
  • 自営業者などの場合、5~6月ごろ市町村から郵送される「市民税・県民税納税通知書」
  • 市区町村の住民税の窓口で発行される「課税証明書」又は「非課税証明書」

これらの書類が手に入ったら、下を参考にして「市民税所得割額」を探してみてみましょう。

これは、町田市のホームページの私立幼稚園等補助金を紹介するページに掲載されている、「市町村民税の確認方法」です。こうして図で示してあると大変わかりやすいですね。

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下の「住民税特別徴収税額の決定・変更通知書」は、横須賀市のホームページ掲載の「平成28年度横須賀市私立幼稚園就園奨励費補助金制度のお知らせ」PDFからです。

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自治体によって、通知書のスタイルが異なるのがわかります。

さらに、よくみると、上の町田市と、下の横須賀市で示している「所得割額」が異なることもわかるでしょうか?

文字が細かくてみづらいのですが、町田市の例では「税額控除所得割額」を指しているのに対し、横須賀市の例では税額控除の「所得割(額)」を世帯の所得を区分する「所得割課税額」と定義しています。

ところが、横須賀市では、別の箇所に、こんな注書きがあります。


●市町村民税所得割課税額算定に際し、調整控除以外の次の控除は適用しません。     適用しない税額控除

配当控除、住宅借入金等特別税額控除、寄附金税額控除、外国税額控除、配当割額控除、株式等譲渡所得割額控除


つまり、町田市でも、横須賀市でも、幼稚園就園奨励補助金を算定する場合の市民税所得割額とは、いわゆるローン控除やふるさと納税などで住民税が減る前の金額を指すということです。

幼稚園就園奨励補助金については、「住宅ローン控除適用前の税額」とはっきり書いてあることも多いのですが、「租税特別措置法による減額前の税額」と書いてある場合、「ふるさと納税」による税額控除もひく前の金額、ということになります。

ローン控除やふるさと納税などの、いわゆる「税額控除」をする前の所得割額なのか/税額控除した後の所得割額なのか、こうした税額控除をうけている方にとっては、大きな違いなので、この辺りの確認がわかりやすくなることを願います。

保育料、高等学校等就学支援金なども

市民税所得割額」は、保育園の保育料の算定や、高等学校等就学支援金の受給時の支給額算定にも使われています。

しかし、この「市民税所得割額」は、書類を一読しただけでは、ローン控除やふるさと納税などの寄附金控除をする前の金額なのか、控除後の金額なのかがわかりづらいです。

税額控除前の金額であるならば、はっきりとその旨の記載があると迷わずに済みます。

対象の世帯の方には、保育料、高等学校等就学支援金を考慮して、適切なアドバイスができるよう心掛けています。

 


・・・このブログ記事の内容は、投稿時点での法律や状況に基づいて記載しています。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。・・・

このブログを書いた税理士 小柳志保のプロフィール

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