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税務署から送られる「扶養控除等の見直し」とは?控除誤りがないよう周知を

先月末から「年末調整の手引き」が国税庁HPにアップされています

年末調整を受ける際には扶養控除等申告書は正しく記載して提出しましょう

でないと…忘れたころにこんな手紙がくることも

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*この記事は、投稿日(2016年10月12日)現在の法律に基づいて書いています

2018年(平成30年)以降は配偶者控除などの適用条件が変わります

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年末調整の際の注意事項

年末調整を行う際、会社は従業員から提出をうけた「扶養控除等申告書」等に基づいて扶養控除の額を計算します。

「扶養控除等申告書」は、社員が「扶養している」「配偶者」や「父母」「子供」などを記載するものです。

記載した「扶養している」人が基礎控除(38万円)を超える所得である場合には、社員の給与にかかる所得税の計算上、その「扶養している」人は被扶養者でなくなり、「扶養控除」の対象外=社員の税金を減らす効果がなくなります。

 

奥さんの給与収入が103万円を超えていたら

社員の前年分の給与所得の源泉所得税について「扶養控除等の見直しについて」という手紙が税務署から会社に届くことがあります。

内容としては、手紙に記載された社員の過去の年末調整で、扶養親族に該当しない人を誤って申告し、扶養控除をしているのではないか。

再度社員に確認し、誤りがある場合は年末調整の再計算を行って、社員から源泉所得税の不足額を徴収し、国に納付すると同時に、手紙に同封の「扶養控除等の見直し結果回答書」を税務署に提出してください、というものです。

もちろん、社員に確認した結果、社員の申告に誤りがなかった場合はその旨を記載して税務署に提出すればよいです。

しかし、会社が税務署から通知された社員について確認を行った結果、奥さんのその年の給与収入が103万円を超えていたのに扶養の対象としていた場合など、その社員の年末調整の再計算をはじめ、社員から税金を徴収して納付したりと付随する様々な手続きが必要となります。

忘れていたころに、税金を払ってくださいといわれるなんて、と思わぬよう、年末調整時は扶養控除等申告書を正しく記入して提出することが大切です。

「扶養控除等の見直し」に該当しないために

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パート収入が103万円を少し超えていたけれど、大丈夫だと思った…という考えは誤りです。パート先の会社が税務署に源泉徴収票を、市町村に給与支告書を提出するので、パート収入の額は課税する側はしっかり把握しています。

また、お子さんのアルバイトなど、「そんなに稼いでるとは知らなかった」というパターンもあります。最低賃金も上がり、103万円のラインは以前より相対的に低くなっています。

 

なお、103万円という限度額は、パートやアルバイト収入の上限額です。

パートやアルバイト収入は「給与所得」であり、この「給与所得」には「給与所得控除」という控除(収入からマイナスできる金額)があるため、収入からこの給与所得控除をひいた額が「所得金額」となります。103万円のパート収入の場合、給与所得控除額が65万円であるため、103万円-65万円=38万円以下であり、扶養の対象となります。

ところが、給与所得以外の所得、たとえば不動産を賃貸している場合(不動産所得といいます)、フリーで仕事をしてる場合(事業所得といいます)の場合、さきの「給与所得控除」のようなものがなく、収入から経費をひいた額が「所得金額」となります。

この「所得金額」が38万円以下なら、扶養控除の対象となりますが、パート収入の上限103万円と混同して考えている方も少なくないようです。

 

忘れたころに税務署から見直しの手紙がくるのは、社員にとっても会社にとっても気が重いもの。

年末調整の際には、扶養控除等申告書等を正しく記載して提出しましょう。

なお、最近は配偶者特別控除(配偶者のパートやアルバイトの収入が年間で103万円超141万円未満で段階的に受けられる控除)の対象者が増えているとのこと。配偶者のパートやアルバイトの収入をしっかり把握して、該当するならば、適用漏れがないようにしましょう。


・・・このブログ記事の内容は、投稿時点での法律や状況に基づいて記載しています。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。・・・

このブログを書いた税理士 小柳志保のプロフィール

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