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住民税の税額通知書に秘匿措置がとられているかどうか

給与から個人住民税が特別徴収される方の税額通知書が

各市区町村から雇用者に送られています

雇用者から従業員に渡される

個人住民税の税額通知書内の所得や控除の内訳について

お住いの自治体では秘匿措置がとられていますか

上は平成29年度のもの(圧着式の通知)、下は平成28年度のもの

 

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住民税が給与から差し引かれる方の税額通知

平成29年度の住民税は、平成28年1月から12月の所得に対して課税され、平成29年1月1日現在居住していた市区町村に納めることになっています。

この住民税の納め方には2通りあり、個人で納める場合(普通徴収)と給与や年金から差し引かれる場合(特別徴収)があります。

給与から差し引かれる方については、その方の税額通知書が5月半ば位に各区市町村から勤務先あてに郵送されています。雇用者は送られた税額通知書に従って、6月から翌年5月までの給与からその方の住民税を毎月差し引いて各区市町村に納めます。

個人の税額通知書なのに、勤務先に直接郵送されるのは、給与所得者(従業員)が個人住民税の納税義務者である場合には、その従業員に給与を支払う雇用者が、給与から個人住民税を天引きして、区市町村に納めることになっているためです(特別徴収の徹底)。

2種類ある税額通知書

各区市町村から雇用者に送られる税額通知書には、

  • 雇用者(特別徴収義務者)用、と
  • 従業員(納税義務者)用、の2種類あります。

雇用者を経由して従業員に交付される従業員用の税額通知書には、その年度に納める住民税額のみでなく、給与以外の所得の有無や、所得控除(障害者や寡婦など)の金額等が記載されています。

一方、雇用者用の税額通知書には、そうした情報は記載されることになっていません。原則、特別徴収税額(1年間の総額と月ごとの税額)のみが表記されています。

とはいえ、従業員用の税額通知書に記載された、給与以外の所得の有無や所得控除の金額などが雇用者にみえないようにといった措置を講ずることは法律で定められていません。

このため、こうした情報がオープンなことについて不安に思う方もいます。

 

圧縮式や保護シール貼付けによる秘匿措置

このような不安に対して、プライバシーに配慮する自治体が増えてきています。

*平成29年度から圧着式の通知となった東京都大田区の通知書を広げた様子

各従業員に住民税額を通知するための、従業員用の税額通知書について、所得や控除の内訳などの記載部分に保護シールを貼って、剥がさずそのまま従業員本人に渡すよう周知する。

従業員用の税額通知書に、圧着式の通知を採用して、会社で給与手続きに必要な、住所、氏名、受給者番号、各月の税額等を除き、所得内容については雇用者が直接みることができないようにするなど。

 

保護シール貼付け圧着式といった秘匿措置を導入している自治体と、導入していない自治体があるのは、地方税法で義務付けられていないことや予算が確保できないことが原因です。

費用は相当かかると思いますが、特別徴収を徹底したからにはすべての自治体で秘匿措置が実施されることを期待します。


・・・このブログ記事の内容は、投稿時点での法律や状況に基づいて記載しています。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。・・・

このブログを書いた税理士 小柳志保のプロフィール

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