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成年後見と相続税の障害者控除

老老相続という言葉を最近耳にしました

確かに被相続人だけでなく

相続人の高齢化もすすんでいます

相続人に成年後見人がついているケースも少なくありません

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最近の相続の傾向

相続の仕事をしていて最近感じるのは、相続人が全体的に高齢化していること、相続人がひとりというケースが珍しくなくなっていること、兄弟姉妹の相続が増えていることなどです

社会全体が長寿化そして少子高齢化しているので、現代社会を反映しているといえるでしょう

このうち、長寿化により認知症などが原因で正常な判断ができない相続人がいると、相続手続きや遺産分割協議を行う際に成年後見制度の利用が必要となる場合があります

成年後見制度とは、認知症などにより自己判断能力が困難な場合において、家庭裁判所に成年後見の手続きを行い、法律上の管理者としての援助者をつけるものです

この手続きには、後見開始の審判、保佐開始の審判、補助開始の審判があり、自己判断能力の低下度に応じて、つぎのように異なります

  • 後見開始の審判…精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者
  • 保佐開始の審判…精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分である者
  • 補助開始の審判…精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分である者

このなかで、相続人が後見開始の審判を受けた「成年被後見人」に該当する場合、相続税の計算上、障害者控除の対象となる可能性があります

 

成年被後見人と障害者控除

相続税の計算上、障害者控除を適用することができるのは、相続人が85歳未満の障害者である場合です

身体障害者手帳上の障害等級が3級~6級、精神障害者保健福祉手帳上の障害等級が2級又は3級の方は、一般障害者に該当し、身体障害者手帳上の障害等級が1級または2級、精神障害者保健福祉手帳上の障害等級が1級の方は、特別障害者に該当します

これに加えて、後見開始の審判を受けた成年被後見人である相続人は、「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者」に該当することから、相続税の計算上、障害者控除の対象となる特別障害者に該当することが国税庁の文書回答事例などから明らかになっています

相続税を計算する上での障害者控除の額は、その障害者が満85歳になるまでの年数1年(年数の計算に当たり、1年未満の期間があるときは切り上げて1年として計算)につき10万円(特別障害者の場合は1年につき20万円)で計算した金額となり、その障害者/成年被後見人本人の相続税額から差し引きます

障害者控除額が、その障害者/成年被後見人本人の相続税額より大きいため控除額の全額が引ききれない場合は、その引ききれない部分の金額をその障害者の扶養義務者の相続税額から差し引きます

 

障害者控除とその事実の確認

相続税の障害者控除をうける場合、相続人が障害者控除の対象であることは、一般的に、その相続人本人の障害者手帳をもって確認します

そして、相続人が成年被後見人であるという事実は、法務局が発行する登記事項証明書をもって確認します

 

原則的には、相続が開始した時点で、障害者手帳などの交付を受けていることが要件となりますが、その時点で障害者手帳などの交付をうけていなくても、

  1. その相続に係る申告書を提出する時点で、障害者手帳などの交付を受けていること、又はこれらの手帳の交付を申請中であること
  2. 医師による診断書により、相続開始時の現況で、明らかにこれらの手帳に記載される程度の障害があると認められること

上記1,2いずれにも該当する場合は、障害者に該当するものとして取り扱いが可能であると考えられています

 

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***編集後記***

成年後見人選任申立後、後見人選任の審判が下りるまで通常2~5ヶ月程度かかります

このため、相続開始前に申立をはじめても、場合によっては、後見開始が相続開始後になるケースもあります


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このブログを書いた税理士 小柳志保のプロフィール

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