相続発生後に届いた税金の納付書や未払金
相続人が支払った場合
これらは相続税の債務控除の対象になるのでしょうか
相続発生後の支払い
相続発生後に、亡くなられた方の未支給年金や高額療養費、社会保険料の還付金などを受け取ることがあります。
これらは、相続税の課税対象となるもの、相続人の所得税の課税対象となるものと様々です。
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こうした入金とは反対に、亡くなった方宛ての固定資産税や住民税等を納付したり、後期高齢者医療保険料や介護保険料を相続発生後に相続人が支払ったりすることもあります。
こうした税金や社会保険料は、相続財産から控除することができるのでしょうか。
相続財産から控除できる債務とは
相続税を計算するときは、亡くなられた方が残した借入金などの債務を遺産総額から差し引くことができます。
相続財産の価額から差し引くことができる債務は、被相続人が死亡したときにあった債務で確実と認められるものです。
差し引くことができる債務には、借入金や未払金などのほか、被相続人が納めなければならなかった税金で、まだ納めていなかったものも含まれます。
ただし、相続人などの責任に基づいて納付したり、徴収されることになった延滞税や加算税(納期限に遅れたことで払わなくてはならない罰則的な税金)などは遺産総額から差し引くことはできません。
また、被相続人が生前に購入したお墓の未払代金など非課税財産に関する債務は、遺産総額から差し引くことはできません。
債務控除の対象となる主な税金や社会保険料
相続発生後に相続人が支払う債務のうち、亡くなった方の相続税の計算上、債務控除の対象となるものの一例を挙げます。
- 所得税
- 住民税
- 固定資産税
- 介護保険料、後期高齢者医療保険料など
- 医療費や介護にかかった費用
1の所得税について
亡くなられた方に係る所得税を相続発生後に支払った場合には、債務控除が可能です。また、死亡後に手続きをする準確定申告に係る所得税についても債務控除が可能です。
2の住民税について
亡くなられた後に納付する住民税も、債務控除の対象となります。
住民税は1月1日現在、住所がある市区町村が前年中の所得金額が一定額以上ある方に課税されます。1月以降、住民税の納税通知書が発送される4,5月までの間に住民税の納税義務者が亡くなった場合には、納税通知書が相続人に送付されることもあります。
3の固定資産税について
固定資産税も住民税と同様、亡くなられた後に納付する部分については債務控除の対象となります。
なお、共有不動産の固定資産税についてはその持分に応じて債務控除の対象とします。
固定資産税と住民税の納税義務はその年の1月1日に成立しているため、相続開始日に納税通知書が送付されていない場合であっても、亡くなられた年分の未納となっている固定資産税や住民税は債務控除の対象となります。
未納の固定資産税と住民税については、国税庁のホームページでも、誤りやすい事例として挙がっています。
【誤りやすい事例⑫-申告書第13表関係-】未納の固定資産税・住民税
4の後期高齢者医療保険料、介護保険料など
各種社会保険料を亡くなられた後に納付した場合は債務控除の対象となります。ただし、その後その保険料が還付された場合にはその還付金は相続財産に計上する必要があります。
5の医療費や介護にかかる費用について
亡くなられた方の入院費や介護にかかった費用を相続開始後に相続人が支払った場合も債務控除の対象となります。本来は亡くなられた方が支払うべきであった医療費を相続人が支払ったという点で、相続発生前に別生計の親族が立替えで払っていた医療費等も同様に相続税の債務控除の対象となります。
***編集後記***
NHK FMが終日サザン特集。
ラストで「希望の轍」がかかりJR茅ヶ崎駅で聞いた曲だと子どもが指摘。確かに駅メロです♪
・・・このブログ記事の内容は、投稿時点での法律や状況に基づいて記載しています。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。・・・
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