年末調整をしていて感じること…日頃のなにげない会話も大切です

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1年を締めくくるお仕事…年末調整ラッシュです

昨年の記憶をなぞるように注意事項をリマインドしながらスタート

今年はマイナンバー事務が増えてます

年末調整をしていて気になる点を覚書します

AlexanderStein / Pixabay

年末調整の時期になるとクリップがたまるような気がします

収入要件の確認

女性の社会進出が日常的になった昨今。

給与所得者の扶養控除等申告書」(通称マル扶)の「控除対象配偶者」欄に配偶者の名前の記載がある場合、その配偶者がパート勤務していたとしても、パート収入でいえば年間103万円以下の、いわゆる「扶養の範囲」で働いているものと解して、配偶者控除(38万円)の対象とします。

それでは、配偶者が退職後に失業手当をもらっていた場合はどうでしょう。

退職後の求職者給付は所得税では非課税となります。

つまり、この1年間に失業手当を受給後、再就職をして勤務を始めた場合や、退職後に失業手当を受け始めた場合、失業手当の額はその配偶者の収入に計算しません

失業手当が所得税では非課税、と知らない限り、失業手当も収入と考えて年間収入を計算してしまうことがあるので注意しましょう。

なお、パート勤務の場合で、年間の収入が103万円を超えた場合、配偶者控除の対象でなくなりますが、年間のパート収入が141万円未満なら配偶者特別控除の対象となります。

(注)2018年(平成30年)以降は配偶者控除などについての適用条件が改正されます

配偶者の年間の収入は、給与支払報告書を配偶者の勤務先が住んでいる市町村に提出することから、行政にはしっかり報告されています。

配偶者の年収に応じて正しい控除を受けるよう、マル扶に記入します。

先月末から「年末調整の手引き」が国税庁HPにアップされています 年末調整を受ける際には扶養控除等申告書は正しく記載して提出しましょう ...

〇〇控除に該当しているのではないか

年末調整をしていて気になるのは、年末調整の対象者が本当は受けられる控除を見逃していないかという点です。

気づきにくいと思う控除は、寡婦控除障害者控除です。


寡婦控除とは、年末調整の対象者(納税者)本人が

  • 一定の収入以下で、死別後結婚をしていない
  • 死別または離婚後結婚をしておらず、扶養養親族または生計を一にする子がいる

場合に、受けられる控除です。

マル扶には、「配偶者の有無」欄があり、「有・無」に〇をつけるようになっています。

しかし、配偶者の有無だけでは、その方の婚姻歴まではわからないうえ、デリケートな話題のため、会計事務所はもちろん職場サイドでも聞きづらいのが現実…

寡婦控除がもっと周知されるといいなと思います。


障害者控除は、年末調整の対象者(納税者)自身が障害者である場合、または控除対象配偶者や扶養親族が所得税法上の障害者に当てはまる場合にうけられる控除です。

所得税法上の障害者とは、

  • 身体障害者手帳1~6級の方(1,2級は特別障害者に該当)
  • 精神障害者保健福祉手帳1~3級の方(1級は特別障害者に該当)
  • 療育手帳を交付されている方
  • いわゆる市町村等の認定をうけた認定障害者の方 が一般的によく挙げられています。

しかし、このほかにも、

  • 戦傷病者手帳の交付を受けている方
  • 厚生労働大臣の認定を受けた原爆被害者
  • その年の12月31日の現況で引き続き6か月以上にわたって身体の障害により寝たきりの状態で複雑な介護を必要とする方

も、所得税法上の障害者(特別障害者)に該当します。

また、成年被後見人も特別障害者に該当します。

成年後見制度をご存知でしょうか 主に認知症や知的障害などの理由で判断能力の不十分な方々の保護・支援を目的に設けられた、この制度 ...

とくに、障害者控除は控除の金額が大きいため(障害者控除27万円、特別障害者控除40万円、特別障害者で同居の場合は75万円)本人またはご家族に該当する方がいる場合は、もれなく控除をうけてほしいと思います。

前年比較とコミュニケーションが大切

年末調整をおえて還付金額等をみる際には、前の年の年末調整の結果と見比べます

昨年は生命保険料控除があったのに今年はないのかな、と思えば、保険料控除証明書をもう一度確認します。

還付金額の増減が激しい場合には、ローン控除が昨年で終わったため今年は還付金額が随分減ったのだな、お子さんが16歳になり控除対象扶養親族になったから還付金額が増えたのだな、など前年との変化をみて自分なりに説明ができるようにします。

なにより大切なのは、年末調整の対象者や会社の経理担当との日頃のコミュニケーション。

前述の寡婦控除や障害者控除も、当たり障りのない範囲で日頃からお話をしていれば、年末にあらためて確認しなくてもよいかもしれません。

プライバシーに配慮しつつも、本来はうけられる控除を見落とすことのないよう、わかりやすく説明できるよう心掛けています。

*この記事は、投稿日(2016年12月14日)現在の法律に基づいて書いています

2018年(平成30年)以降は配偶者控除等の適用について改正されます